2026/7/4(土)「子どもの目の健康を守る研修会」主な内容を報告します

子どもの目の健康を守る研修会             ー学校や家庭でできることー

日 時:2026年7月4日(土) 10:00〜12:00

場 所:中山記念会館4F(活動室3)

講 師:神戸総合医療専門学校 副校長 山本雅美(視能訓練士)

参加人数:17名(参加者11名+スタッフ6名)                                      (認定子ども園4名・保育園3名・特別支援学校3名・その他1名)

主な内容

①視能訓練士とは → 目の検査・訓練を行う医療専門職の国家資格で、健やかな視生活を守るスペシャリスト。主な仕事は、視機能検査、検診や健診、ロービジョンケア、視機能回復訓練に加え、最近では、アイフレイルサポーターとして活躍している。

②視機能の発達  → ・3ヶ月から3歳までに視力が急速に発達(0.01〜0.5)し、6歳で1.0〜1.2、8歳ぐらいで視覚刺激に対する感受性が低下するので、早期発見とトレーニングが有効。 ・3歳児健診時に、屈折検査(スポットビジョン)でスクリーニングして、眼科医療につなげている。

③物が見える仕組み→ ・角膜と水晶体のレンズの働きによって光が曲がり、焦点が網膜に届く。その像が脳に信号として送られることで、「見えた」と判断する

・体験1→立体視体験  相手の持ったペンの上に自分が持ったペンを上からトンと当てるこの動作を両目と片目でそれぞれ行う。両目では距離感や遠近感覚が得られやすいが、片目や斜視があると距離感は得られにくい。

・体験2→利き目確認  左右の手のひらを重ね合わせ、間に小さな隙間を作る。その隙間から遠くの目印を両目で見る。左右の目を交互に閉じた際、目印が入っている方が利き目となる。 ※効き目が優位となり、効き目でない目の視機能の低下に気づきにくいので、時々片眼ずつで見え方のチェックをすると良い。

④屈折異常とは  → 角膜や水晶体によって光が曲がり網膜に届く。その焦点が手前や奥になると近視や遠視になる。焦点がどこにも生じない状態を乱視という。子どもに多い乱視では縦に2重となって見えるため、視力検査時に、ランドルト環(輪の切れ目)で縦が答えやすいため、縦横まんべんなく問いかける必要がある。新生児の眼球の大きさは17ミリほどで、成長とともに24ミリほどと成長するに伴い、屈折状態も変化する。眼球が小さい3歳児は遠視が多く、眼球の大きさの変化とともに、中高生では近視が多くなる。

休憩

・体験3→近視、遠視、乱視のレンズ+穴空きレンズ体験  近視の場合、遠くは見えない、近くは近づけると見える。遠視の場合、遠くも近くも見えにくい。乱視は縦や横に伸びて見える。目を細めてみている状態を体験するために、近視状態で穴空きレンズを覗くと、少し見える状態になった。

⑤子どもたちの近視化の状況  → 児童生徒の裸眼視力1.0未満の割合が増えている、40年前に比べてどの学年も約20%増加。 ・目の成長に応じ眼軸長は長くなり、近視の有病率も増加している。 ・近視は、遺伝と環境要因の両方が関与している。重度近視は遺伝要因のリスクが高く、中度近視では環境要因の方が多く関わっている。 ・環境要因として、スマホ、タブレットによる近業作業が長い、屋外で遊ぶのが少なく室内が多い、低年齢ほど近視の発症率が高い。

⑥近視予防のために推奨される生活習慣

 近業作業を行う際の注意点(文部科学省より)

 ・対象から30cm以上、目を離す

 ・30分に1回は、20 秒以上目を休める

 ・背筋を伸ばし、姿勢を良くする

 ・部屋を十分に明るくする

 ・使用する機器の輝度(明るさ)を適切に調節する

 学校園生活で注意すること

・心因性視覚障害→ストレスなどで視力低下や視界が狭くなる視野異常が起きることがある。 ・調節性内斜視→ピントを合わせようとして内斜視になる。裸眼視力が良くても眼鏡が必要。 ・仮性近視→毛様体筋がけいれんを起こし、一過性に近視状態になる。近業継続による毛様体筋の緊張により近視になることもある。 ・斜位近視→間欠性外斜視で目をまっすぐにする際に近視となることがある。片目ずつの視力は良くても、両眼で見ると見えにくさを訴える。

⑦幼児視界体験  → 幼児の視界を疑似体験できるメガネをつけて視野が狭い、視点が低い状態を作り危険なところ、注意すべきところの体験ができる。顔や目を動かす事(眼球運動)の大切さの理解。

○気になること

・斜視について・・・一般的に、外斜位(視)が多い。斜視の治療は、両眼の視力を均等にし、両目で見るトレーニングをすることが大切。幼児は、斜視ではないが斜視のように見える(偽斜視)のこともある。

・サングラスについて・・・濃い色のサングラスは散瞳するため、避けた方が良い、かけるなら薄い色。

・コンタクトレンズは・・・子どもの時は、自己管理が難しいため、メガネを推奨する。

〇アンケートより
☆内容のわかりやすさ …とてもわかりやすかった(13)

☆今後に支援に役立つと思いますか …大いに役立つ(11)、役立つ(2)

☆特に参考になった内容
・子どもの視力・両眼視の大切さ ・目は情報得る大切なものであることが詳しくしれた ・斜位について。生活環境の大切さについて ・近視、遠視、乱視について ・近視予防 ・子どもの目の育ちについてや注意点 ・斜視について ・近視、遠視のなりたち

☆今後取り上げてほしいテーマ
・視覚障がいの方、当事者の話 ・3歳ごろまでの生活習慣が弱視になる可能性がある。(生活習慣により眼を守ることが可能)
・子どもの視機能の発達の仕方や、眼の異常がある時の見え方についての説明があり、今後の指導に役立つと思いました ・視能訓練ではどのような訓練をしているか ・学校や園で取り組める物を見続けるための手立てなど

☆その他、感想・意見
・楽しく、役立つことが たくさんの時間をありがとうございました。 ・身近なお話が多く、わかりやすかった。職場で活用させていただきます。 ・知らないことが多く、勉強になりました。ありがとうございました。 ・勉強になることばかりでした。ありがとうございました。 ・たいへん勉強になりました。ありがとうございました。 ・専門の方に話をきけて、勉強になりました。 ・目の知識がなかったのでとても勉強になりました。      以上

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